「オーダースーツ」が流行っています。
オーダースーツは、既製服とは違った着心地を求めていたり、自分好みのスーツを生地から選んでみたいという要望を叶えてくれます。
オーダースーツと一言で言っても作り方から作る人まで様々です。
オートメーションで作るオーダースーツから一針一針手作業で作るものまで。
オーダースーツの作り方にはいろいろは方法があります。揚げてみましょう。
パターンオーダーは、ゲージ服と言われるサンプルの服を着用して、もっとも自分に合うサイズを選びます。型紙はありません。さらにそこからサイズの修正を加えていきます。
パターンオーダーのメリットは、ゲージ服があるので、出来上がりのイメージがつきやすいことです。
イージーオーダーは仕立てる側や縫製工場が持ってる型紙の中から合うサイズのものを選んで作ります。ゲージ服よりも多くの形があるので、体型が気になる方には良いでしょう。
フルオーダーは、採寸して型紙を起こすことから職人が手仕事で縫っていく昔ながらのやり方やミシンを使うやり方があります。生産性は低いですが、手間がかかっている分丁寧な作りになっています。
こういう職人さんは「仕立て屋さん」と呼ばれています。
仕立て屋さんの中にも職人ではなくて、工房や工場などに依頼しているところもあります。ここでのメリットは仕立て屋さんがディレクターとなって、職人さんにはない独自の提案をしてくれることでしょう。
スーツ文化が盛んなイタリアでは今でもスーツを仕立てることがよくあります。高級な既製服を買うよりもお仕立てしたほうが安価である場合があるそうです。
日本では仕立て屋が少ないので簡単にはいきませんが、オーダースーツを作ってくれる場所はかなり増えています。
これは個人でやっている事業だったり、大手の会社がこの分野に進出してきたりしています。
例えば、最近では大手のアパレルONWARDは「カシヤマ・ザ・スマートテイラー」を展開しています。既成紳士服づくりで培ったノウハウを活かしたイージーオーダーです。
青山商事が展開するユニバーサルランゲージでは、「ユニバーサルランゲージ・メジャーズ」というブランドで、オーダースーツを手掛けています。
また、高島屋では新しいオーダーを目指して、シャツ、スーツ、バッグ、タイ、靴をオーダーできる「タカシマヤスタイルオーダーサロン」を展開。ファッションディレクターの干場義雅氏監修のモデルを打ち出しています。ここではゲージ服によるパターンオーダーです。ゲージ服に補正を加えて身体に合ったサイズを実現してくれます。既存のイージーオーダーとの違いは、ゲージ服が持つ形を損なわない程度の補正にしていることです。
低価格のスーツから昔ながらのフルオーダースーツを作る仕立屋さんまで群雄割拠しているオーダースーツ界。 タイトルに書いた通りのものを作っている会社、お店があります。今、購買者の眼力が試されている時です。
私は古い人間なので、オーダースーツを作る時は、正直、仕立屋さんに頼みます。なぜかというと、作るスーツにポリシーはあるからです。そもそもスーツを作るという視点が違います。
短納期、簡略化、機械化。
実は数十年前にこういった服作りをアパレル会社でやっていました。現在は跡形もなくなくなっています。
今回のブログが、人がものを作るという本質は何かをもう一度考えてみる機会にしていただければと思います。
みなさんはスーツを作るにあたってどれだけの拘りがあるかはわかりませんが、私はできる限り作り手の見える服を作っていきたいと思います。
高額なのは承知していますが、いちど仕立屋さんにフルオーダーのスーツを作ってもらうことをお勧めします。
追伸
いい仕立屋さんをご存じないという方。ご連絡いただければ、ご相談をお受けいたします。