こんばんは。
金子マサオです。
スーツの袖に付いている布のタグをご存知ですか?
これは生地の表示です。どこの生地メーカーのどんな生地が使われているかを表しています。
最近ではスーツだけでなく、コートにも付いていることがあります。
余談ですが、コートのタグを付けたままにしている人を見かけます。タグは外すのが当たり前です。
これら生地メーカーのタグで商品の差別化を図っていることでもあるのです。
高級な生地は価格が高くなります。
ここからが本題です。しかし、有名メーカーの生地タグがそのままスーツの品質になるとは限りません。
高級生地メーカー(ミル)のロロビアーナやエルメネジルドゼニアは、生地メーカーでもあり、アパレル業も営んでいてスーツなどの服を作るトータルブランドでもあります。
こういう謳い文句の広告を見かけます。
「エルメネジルドゼニア、ロロビアーナのスーツが〇万円。」
この広告だとあたかもエルメネジルドゼニアやロロビアーナが作っているスーツと思ってしまいます。
実はこれ正確に言うと、
「エルメネジルドゼニア、ロロビアーナの生地で作ったスーツが〇万円。」
だから中国製であってもいいわけです。生地はゼニアやロロビアーナですから。
ブランド信仰もあって、有名なものに飛びつく人が多いのは事実です。
スーツは生地の質も大切だけれど、同じくらい、いやそれ以上に「作り」が大切です。この国では「作り」を軽視する傾向があります。
だからイタリアではお仕立ての文化が今なお息づいているのです。
この品質の生地で仕立てたものが、そんな破格では手に入ると考える方がおかしい。
何を省いているのか?
作りです。簡易な方法で作ることで価格を抑えているのです。
われわれは作られた工程を見ることができないので、言われたことを信じるしかない。しかし、知らないことにつけ込むような商売は感心しません。
私たちがすべきことは知識を付けるしかない。知らないことをなくす努力をする。
もし広告に間違いがないと断言するならば、説明を求めてもいいわけです。
それよりも買う本人が満足ならば致し方ないのですが…。
こういう広告を出しているところに、「どんな工程で服をつくっていますか?」と聞いてみます。ちゃんと答えが帰ってくればいいのですが…。