みなさんは聞いたことがないかもしれないが、パントン(PANTONE)という国際的なカラートレンドを発表している組織がアメリカにある。
出版業や印刷関係の人ならば、パントンと言えば、DICと並ぶ印刷の色見本が思い浮かぶだろう。
ちなみにDICとは、DICグラフィックス株式会社の出しているカラーガイド(色見本)のことをいう。
同じようにパントンも色見本を出している。DICは印刷に特化したカラーを生業としているが、パントンはその年のトレンドカラーを「カラー・オブ・ザ・イヤー」として発表し、パントンのカラーはデザイン界やファッション業界に影響を与えている。
というような蘊蓄を書いてみたけれど、皆さんは関心があるかな?
ところでじゃあ、パントンの今年2020の「カラー・オブ・ザ・イヤー」はなんだろうか?
「クラシックブルー」と言われる鮮やかな青。すでにハイブランドのシャネルやマーク・ジェイコブスが取り入れているとか。
これら上位にあるブランド(川上にある)から下に下流れるようにトレンドが広がっていく。
トレンドってただ皆んなが同じことをしているから流行っているというだけではなくて、作られる流行ってものもあるのだ。
日本では「日本流行色協会」(JAFCA)というファッションカラーのトレンドを発表している機関がある。ここはグローバルなカラーを選定している「インターカラー」(国際流行色委員会)に参加している。
インターカラーで選定される色は約2年先の色である。2年先ということは今年2020年の色トレンドは1998年には発表されていたことになる。
この2年という月日をかけてさっきの川上から川下へ(われわれ生活者)流れていくのである。
日本流行色協会の定めた2020年の色はパントンとは対照的にビビッドなレッド「ヒューマンレッド」である。
ここまで対照的だとなんか変な感じもするがトレンドってこんなものなんだっていうことがわかって貰えたらいい。
トレンドを意識するなって言っているのにトレンドカラーの話っていうのもねえ。
ほんと蘊蓄ですから。あくまでも。