50代60代、年代物の服を未だに後生大事に持っていないかだろうか?
5年10年と変わらない服をそのまま着ていることはないか?
10年前だと50歳なら40歳のときの服になる。
ビンテージやデッドストック物ならいいかもしれないが、古過ぎて味がでるものは本当に少ない。
服は経年劣化することを覚えていてほしい。どんなに高価な物でも、いいと言われる物でも年月と共に形や色合いが風化していく。
オーセンティックな物も例外ではない。
ファッション誌で10年以上着込んでいる服を紹介していることがあるが、あれはお洒落上級者の拘りだと思ってもらいたい。
お洒落初心者が持っている10年選手の服とファッション上級者が持っている服は全く違う代物だ。
10年ひと昔。10年来着ている服はもう用済みにした方がいい。
洋服のサイクル劣化サイクルは速い。ただし皮革製品は経年変化を楽しむことができる稀なアイテムだ。
例えば革靴がそうである。いい革靴と言われているものは足に馴染むまで時間がかかることがある。
初めは足にしっくりこないかもしれないが、履き続けているうちに革が馴染んできて絶妙なフィット感が得られる。
もちろん長くいい状態で履くにはお手入れが必要である。
皮革製品の中でもバッグは劣化がしやすい。濃い色のバッグは四隅が擦れて色が剥げる。薄い色は四隅が黒く汚れる。
また持ち手も劣化しやすい。柔い革だと擦れてボロボロになる。こんなバッグを持っていると野暮ったくなる。
全体のバランスと共にディテールに注意を払うことも忘れてはいけない。細かいことだがファッションとはこういうものだ。
このように見ていくと、ファッション初心者は古いものを出来るだけ処分していくこと。クローゼットの中身はコンパクトで流動的な方がいい。
これから暖かくなる。昨年の春物の出し入れの準備に入るときは、ワードローブを見直す絶好のチャンス。シーズン毎にクローゼットの整理をすることで廃れた10年選手はなくなるはずだ。