50代からのメンズファッション_masao

50代、シニア世代までのメンズ・スタイリング

50代60代なら知っている贈り物マナー。お洒落余録

肩苦しくない関係でも物品を貰ったらお礼を言うことが常識だと思う。これに異を称える人はいないだろう。


しかし、最近は貰い物をしても返事がなかったり、お礼を言わない人がいる。悲しいことだ。


渡した方は、特に何かを期待しているわけではないが、最低限のマナーとしてお礼の一言だけは欲しい。ただ「ありがとうございます」というだけのことなのだが。


さらに言うと、物を頂いたなら感想を言うことも大切である。渡した人は、お気に召さなかったかな。口に合わなかったかな。気分を害してしまったかな、と結構気になるもの。


私の場合、頂いた品物は可能なら即包みを開けてお礼を言う。


もちろん早く中を確認したいことと、先ほどの渡した人が悩まないように配慮してのことである。

 

 


50代60代ならわかると思うが、物の授受に「お裾分け」ということが行われる。


昔(われわれが少年時代)は隣近所でのお付き合いが自然と成り立っていた。お裾分けもコミュニケーション一つだった。


頂き物を他人に渡すお裾分けは、謙譲の意味を込めて「つまらないものですが」と言って渡した。


余ったものを分けて渡すということだから、わざわざ貰って頂くことになる。渡したほうは「ありがとうございます」の一言で気持ちが完結するのだか…。


ところが、今は勝手が違うようで、わざわざどこかで買ってきた品物を「お返し」として渡されてしまった。


どちらかと言えば、余ったものを貰って頂くのだから、渡すほうが恐縮することなのに、貰った方が恐縮してしまったらしい。


こういう何気ないやり取りの中に今忘れかけているコミュニケーションの取り方があるように思う。


お礼や挨拶など身近な行儀、作法がなおざりなっているのかもしれない。


こういったマナーもお洒落をするうえで欠かせないことである。お洒落はただ衣服を整えることだけではない。こういったマナーを一つでも多く身に付けることも大切なことなのだ。